現在の日本では、高齢化社会(※1)が急速に進んでおり、「平均寿命」「高齢者数」「高齢化」のスピードという点において、世界一の高齢化社会といわれています。
そんな高齢化社会の中で、現在、総所得が「公的年金・恩給」のみという高齢者世帯(※2)は、平成26年の時点で56.7%。約6割の高齢者が年金のみで生活していることになります。
「公的年金」とは、国民年金や厚生年金保険、共済年金、国民年金基金、厚生年金基金などから支給される年金をいいますが、65歳になった時にもらえる「老齢」年金のほか、病気やケガで障害を負ったときにもらえる「障害」年金、配偶者や両親など、家族が亡くなったときにもらえる「遺族」年金があります。
これらは、原則、保険料を納付していなければ、65歳になっても、障害が残っても、一家の働き手が亡くなっても、いざというときに何ももらうことができないということにもなりかねません。
障害年金ひとつを取っても身体的な障害ばかりではなく、精神的な障害であったり、ひとつの疾病だけではなく、複数の疾病により重症化して障害年金がもらえる可能性が出てきたり、遺族年金では、戸籍上夫婦でなくても「内縁の妻(夫)」や「事実婚」でももらえる可能性がゼロではありません。
また、この数年の間に厚生年金基金が解散してしまったり、国家公務員や地方公務員、教員などが加入する共済年金や私学共済制度が厚生年金保険制度と一元化(※3)されるなど、手続きは複雑化するばかりで、高齢者であるご本人はもちろんのこと、別居されているご親族などにも厄介なものでもあります。
ニュースでも話題になったように、死亡した家族の老齢年金などを「不正受給」したなどということにならないために、的確で迅速な手続きが重要になります。
【「公的年金」をもらうにはこんなときに手続きが必要になる!】
・65歳になったとき『老齢年金』
・65歳前に大きな病気やケガで障害が残ってしまったとき『障害年金』
・配偶者や両親など、親族が亡くなったとき『遺族年金』『未支給年金』
・離婚をしたとき『年金分割』
・障害年金を受給したり、失業して無収入になったり、20歳以上の学生には
『保険料の免除』
・企業から派遣されて海外で働き始めたとき『社会保障協定制度』(※4)
※1 総人口に占めるおおむね65歳以上の老年人口(高齢者)が増大した社会のこと。
※2 65歳以上の人のみで構成、またはこれに18歳未満の未婚の人が加わった世帯のこと。
※3 組織や機構を一つの中心体のもとに統一すること。
※4 2015年11月現在、社会保障協定の発効状況は下記の通り。「保険料の二重負担防止」「年
金加入期間の通算は、日本とこれらの国の間のみで有効であることに注意が必要である。
協定発行済の国 ※韓国は「保険料の二重負担防止」のみ |
ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー |
署名済未発行の国 ※イタリアは「保険料の二重負担防止」のみ |
イタリア、インド、ルクセンブルグ、フィリピン |